思い出の城東貨物線写真集(番外編)
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番外編その7(猫間信号所)

最後尾はクハ47改造のクハ79。
現在でも森ノ宮駅の少し京橋寄り内側線沿いに、ごく短区間もう1線敷設されているところがありますが、
それがかつての分岐線の線路跡です。

城東線の大阪天王寺間は殆んどが高架ですが、唯一京橋森ノ宮間が地平になっています。
これは砲兵工廠が存在した頃、高架の上から工廠内を覗かれないよう防諜上の理由からでした。
その上線路の両側には塀が張り巡らされ電車の中からは大阪城の天守閣は見えても工廠内は一切見ることが不可能で、
それ故工廠内は長らく秘密のベールに包まれておりました。
それが昭和20年8月14日の最後の大阪大空襲で砲兵工廠は完膚なきまでに破壊され
同時に線路両側の塀もきれいに吹っ飛んでしまいました。
市民達は今まで見ることが出来なかった工廠内を初めて目にすることになるのですが、
それは恐ろしいほどに破壊されつくされた見るも無残な姿でした。

この時京橋駅にも爆弾数発が炸裂、片町線ホーム周辺に避難していた乗客に多数の犠牲者がでました。
その阿鼻叫喚の地獄図は現在に至るも語り継がれています。
京橋駅の南口に犠牲者を悼む慰霊碑が建立されていることはご存知の方も多いかと思います。

〜完〜



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